小児におけるB群連鎖球菌感染症ナショナルサーベイランス

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大切な命を守るために

私たちはB群連鎖球菌の研究を続けます。

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本研究について

Group B Streptococcus, GBS
本研究は妊婦GBSワクチン導入に向けて、本邦におけるB群連鎖球菌(GBS)感染症の疫学、疾患特性について、細菌ゲノムを含めた総合的な理解を深める研究です。
本研究は多くの医療機関からの症例登録によって完結できる研究です。将来GBS感染症に罹患する子どもを一人でも減らすために、多くの先生から症例登録を頂けますようお願い申し上げます。登録の際には患者さんから検出されたGBS菌株と、患者情報のご提供をお願いしています。
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本研究について

Group B Streptococcus, GBS
本研究は妊婦GBSワクチン導入に向けて、本邦におけるB群連鎖球菌(GBS)感染症の疫学、疾患特性について、細菌ゲノムを含めた総合的な理解を深める研究です。
本研究は多くの医療機関からの症例登録によって完結できる研究です。将来GBS感染症に罹患する子どもを一人でも減らすために、多くの先生から症例登録を頂けますようお願い申し上げます。登録の際には患者さんから検出されたGBS菌株と、患者情報のご提供をお願いしています。

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Research

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研究の背景
 GBSはグラム陽性の連鎖球菌であり、Lancefield分類においてB群に分類される細菌です。GBSは細菌の表面に莢膜多糖体を持ち、その構造の違いによって現在10種類の莢膜型に分類されています。
 GBSは全年齢層に様々な感染症を引き起こしますが、特に新生児の髄膜炎においては最も高頻度に検出される病原体です。新生児、乳幼児におけるGBS菌血症も含めた侵襲性GBS感染症は予後が悪く、生存したとしても高頻度に後遺症を残します。
 小児領域におけるGBS感染症はその発症時期によって早発型感染症(early-onset disease: EOD, 日齢0-6)、遅発型感染症(late-onset disease: LOD, 日齢7-89)、超遅発型感染症(ultra-late-onset disease: ULOD, 日齢90以降)に分類されますが、現在、EOD、LODの予防を目的とした妊婦GBSワクチンの開発が進んでいます。
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 これらのワクチンの多くはGBSの莢膜多糖体をターゲットにした多価ワクチンですが、全ての莢膜型をカバーしているわけではありません。そのため、ワクチン導入によりどの程度の発症予防効果があるかは、その地域において検出されるGBSの莢膜型疫学にも依存します。WHOは2026年までに安価なGBSワクチンの市場導入することをマイルストーンとして打ち立てています。本邦で同ワクチンを導入するためには、本邦独自の小児GBS莢膜型に関する疫学情報が必須です。
 また、GBSは臨床検体から比較的高頻度に検出され、妊婦の保菌率は10-20%とされていますが、妊婦はどのようにしてGBS保菌に至るのでしょうか。そして、そのほとんどは児に感染症を引き起こさない中で、どのようなGBS株が児に侵襲性感染症を引き起こすのでしょうか。早発型GBS感染症は母体からの垂直感染が原因と考えられていますが、遅発型・超遅発型GBS感染症を罹患した児はどのようにGBSに感染してしまうのでしょうか。このように病原因子、伝播経路、リザーバーなど、GBS感染症には不明な点が多いのが現状です。
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 薬剤耐性の観点ではGBSのクリンダマイシン耐性が世界的に問題となっています。米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention)はAntibiotic Resistance Threats in the United States, 2019において、クリンダマイシン耐性GBSをConcerning Threatsに位置付けています。また頻度は少ないですが、PCGに耐性を示すGBSの報告も散見されます。これらの薬剤耐性GBSについて、本邦の実態は不明です。

 本研究ではGBSワクチン導入検討を念頭に、GBS感染症児の患者情報と細菌の全ゲノム情報を用いて、このような様々な課題の解決に取り組みます。
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本研究では以下の事を明らかにします。
  • no.

    小児から検出されるGBSの

    莢膜型の分布

  • no.

    小児から検出されるGBSの

    薬剤感受性の分布

  • no.

    小児から検出されるGBSの

    遺伝子型の分布

  • no.

    小児から検出されるGBSが持つ

    薬剤耐性遺伝子の分布

  • no.

    小児から検出されるGBSが持つ

    病原因子の分布

皆様の研究へのご参加をお待ちしております。
期間中、全ての医療機関から症例を登録することができます。
なお、症例発生前でも研究機関登録は可能ですのでぜひお願いいたします。

登録基準

無菌検体からGBSが検出された15歳以下の小児

症例登録期間

2026年3月31日まで